2790.今日の植物(2273):アルティア
アルティアは、キョウチクトウ科 Artia属(アルティア属)の植物で、9種程度が含まれる小さな植物群です。
ウイキペディアの情報によりますと、この属の植物もニューカレドニア固有の植物です。
そのウイキペディアの情報は、Parsonsia やPrestoniaといった属と近縁の関係にある、といった程度の情報です。
ネットで他の情報を探したところ、ニューカレドニアの固有種を集めたサイトがありました。それによりますと、この種は標高750メートル程度までの灌木林に分布しているということです。絶滅が危惧される程度ではないですが、生育地によっては生育環境の悪化により生育が脅かされているものもあるということです。
花を見ますと、白い縁取りのある花弁が印象的な植物です。
その写真です。ネットから借用しています。ほかの木にまとわりつく植物のように見えます。
アルティア・バランセ Artia balansae
切手です。
アルティア・バランセ Artia balansae
2015年 仏領ニューカレドニア発行(固有の植物)
2789.今日の植物(2272):ボロネラ
ボロネラは、ミカン科 Boronella 属(ボロネラ属)の植物で、The World Flora On Lineよれば、この属に分類される種は6種があるということです。
ただ、ウイキペディアの情報によりますと、この6種はニューカレドニアに固有の種で、いずれも現在では同じミカン科のBoronia(ボロニア)属に分類されるということです。このように両者の見解が違っているのですが、今回はこれまで頼りにしてきたThe Plant Listの後継でもあるThe World Flora On Lineに従って、Boronella 属として取り上げます。
なのですが、Boronella 属に関する情報はあまりなくて、これは困った状態です。また、情報がみつかればご報告することとして、写真です。
ボロネラ・パンケリ Boronella pancheri
切手です。
ボロネラ・パンケリ Boronella pancheri
2015年 仏領ニューカレドニア発行(固有の植物)
2788.今日の植物(2271):ティオリエレア
ティオリエレアは、アカネ科 Thiollierea属(ティオリエレア属)の植物で、この属に分類される種は15ないしは16種のようです。
ウイキペディアの情報によりますと、すべてがニューカレドニア固有の植物で、この属に分類される種はかつては同じアカネ科のBikkia属あるいはMorierina属に分類されていたということです。
ネットで調べてみたのですが、Thiollierea属に関する情報がなかなか見つかりませんでした。
その中に、面白いサイトがありました。rarepalmseed.comというサイトで、植物の種を販売するサイトのようです。このサイトで、Thiollierea campanulata種が取り上げられていました。
そのサイトでの説明では「素晴らしい、枝張りのよい低木、明るい赤色の鐘の形をした花、温帯や低温の熱帯気候に適した園芸植物」とされています。
そして面白いのは、「外観(鑑賞植物としての価値?)」という評価項目があります。その評価点は、Average(果実や背景用などそれ自体の鑑賞価値以外の要因で育てられる)、Pretty(良い観賞価値がある)、Beautiful(高度の観賞価値がある)、 Breathtaking(息をのむような、観賞用庭園で気づかずにはおれない) といった具合で、このThiollierea campanulata種はBreathtakingに位置付けられていました。自画自賛、とでもいえましょうか。
写真です。
(左)ティオリエレア・カンパヌラタ Thiollierea campanulata
(右)ティオリエレア・マクロフィラ Thiollierea macrophylla
切手です。
(左)ティオリエレア・カンパヌラタ Thiollierea campanulata
(右)ティオリエレア・マクロフィラ Bikkia fritillarioides(=Thiollierea macrophylla)
2015年発行 1964年発行
いずれもニューカレドニア発行です。
●50年以上も前に発行された1964年の切手には、かつての種名Bikkia fritillarioidesが記されています。
このブログで、右の切手をBikkia fritillarioidesとしてBikkia(ビッキア)の記事に載せていましたが、今回こちらに移しました。
1964年に発行されたセットはこちらです⇒切手植物図鑑
2787.今日の植物(2270):アルスロクリアンタス
アルスロクリアンタスは、マメ科 Arthroclianthus属(アルスロクリアンタス属)の植物で、この属には13の種が分類され、 この属の植物は、すべて切手の発行国のニューカレドニアに固有の植物です。
属名のArthroclianthus はギリシャ語由来で、Clianthus(同じマメ科の植物です)に似ているという意味です。
切手に描かれているArthroclianthus deplanchei種について情報がありました。
それによりますと、この種は樹高4メートルまでの低木で、白、ピンクあるいは赤い蝶に似た花をつけます。実は平たく、ぶら下がってつきます。種小名の deplancheiはフランス海軍の外科医であり植物収集家だったEmile Deplanche氏に因んで命名されたということです。
写真です。これもネットから借用しています。
(左)アルスロクリアンツス・デプランシェイ Arthroclianthus deplanchei
(右)アルスロクリアンツス・ミクロボトリス Arthroclianthus microbotrys
切手です。ニューカレドニアから2種類が発行されていました。
(左)アルスロクリアンツス・デプランシェイ Arthroclianthus deplanchei
(右)アルスロクリアンツス・ミクロボトリス Arthroclianthus microbotrys
この2枚は、2015年 仏領ニューカレドニア発行(固有の植物)
●この切手と一緒に発行されたセットはこちらです。珍しい植物がいっぱいのいいセットです。⇒切手植物図鑑
(お知らせです)
ムラサキセンダイハギを描いた切手を入手しましたので、追加しました。
2787.今日の植物(2270):マツブサ
マツブサは、マツブサ科 Schisandra属(マツブサ属)の植物で、26種ほどが確認されています。アジアと北米に自生しており、分布の中心は中国にあるようです。蔓状に他の植物に絡み、幅広い土壌の条件にも適応できる植物だということです。挿し木で増やすこともできるとされていました。
英語名は、magnolia vine(モクレン蔦?)とされていますが、モクレン属とは全く関係はありません。
切手に描かれているSchisandra chinensis種は、ロシア東部、中国、朝鮮半島および日本にも分布する種です。その果実を乾燥させたものは、薬用とされ、滋養、強壮、鎮咳に有効だとされます。中国では、「五味子」と呼ばれ、漢方薬の五つの味(塩辛い、甘い、酸味、辛い、苦い)を持っていることからのこの名前になったようです。
雌雄異株で白い花をつけ、果実は赤く小さなものが房状になります。
写真です。これも借用です。
チョウセンゴミン Schisandra chinensis
●学名はSchisandra chinensis(中国のマツブサ)となっていますが、和名は「チョウセンゴミン」と面白いです。
切手です。
チョウセンゴミン Schisandra chinensis
1998年 ロシア発行(ベリー)
●この切手と一緒に発行されたセットはこちらです。⇒切手植物図鑑